PowerPointの代替ソフトとしてのStarSuite Impress

外国人とのビジネス会話に必須と言える、「ジョーク」。前職にて海外ベンダーと仕事をしていたとき、会社の先輩と何か新しい「使える」ジョークはないかと雑談中のこと。よくあるパターンで、無人島ジョークというのがあります。

一人の美女と二人の男性が無人島に残された場合、国民性によってこう違う、というやつなんですが、

* アメリカ人の場合:2人の男は決闘して、勝った方が美女と結婚する
* フランス人の場合:1人の男は美女と結婚して、もう1人の男は彼女と不倫する
* イギリス人の場合:美女を置いておいて、2人の男だけでどこかへ行ってしまう
* イタリア人の場合:何の気兼ねもなく2人の男は共に1人の美女を愛する
* 日本人の場合:どうしたら良いか、本社に問いあわせようとする。

そう、典型的な日本人自虐パターンですね。これを、(当時)うちの会社バージョン「xxx社員の場合」はどうなるか、そんな話をしていました。そこで前述の先輩曰く、

  * xxx社員の場合:どうしたら良いか、本社に問い合わせようとするが、自分のノートPCにPowerPointが入っていないのに気づき、探しに行く

ちょうどその数日前、新しいパソコンを自宅で購入した部長が、PowerPointがプリインされていなかったので、「家のパソコンじゃなんもできねぇ!」なんて言っていた光景を目撃していた我々は、二人で大爆笑。

まあ、だいたいどの会社も似たようなものだと思いますが、前の会社では色々な部分でPowerPointベースでした。作業量も「パワポで何枚」でだいたい意思疎通が取れましたし、パワポのアニメーションを綺麗に作れるだけで「神」的扱いを受けます。私のチームでは、独自のデザインテンプレートも作っていました。とにかく、何につけ「調査→報告・発表」ベースの仕事でしたので、パワポはメール、ブラウザにならぶ、三種の神器だったわけです。

では、今の会社ではどうかというと、いわゆる「調査→報告」の作業がほぼ発生しません。なにぶん小さな会社なので、意志決定が「その場で」なされます。前の会社では「(報告のための報告)のための報告」なんて当たり前だったので、すごく新鮮。つい最近まではパワポなんて存在自体を忘れていたくらい。

ところが先日、ある海外の製造元からすごい使える資料をパワポで頂いてしまい、それを日本語化して展開しなければならないことに。さっそく PowerPointを買おうかと調べてみると、、、25000円とか普通にしてしまうことが発覚!1万円くらいだろうと思っていたんですが。。あんなに身近だったソフトが急に高値高嶺の花に・・。幸運なことに、パワポを使っている人が周りに少ないこともあって、ファイルの互換性はそこまで気にしなくてよいし(展開するときはPDFにすればよい)、年に何回も使わないソフトに25000円も出したくないのもあって、OpenOffice系のStarSuite Impressを試してみることにしました。

貰った資料は80スライドくらいで、ほぼ全ページに画像が入っています。画像も多いため、ファイルサイズは 120MBとかなり大きい。PCはVista Home Premiumで、CPUはCore 2 Duoで2Ghz、メモリは3G積んでいるので、わりと速いほう。以上をふまえて、使い勝手についてですが・・・

ファイルサイズからしPowerPointでも多少重くなるのは経験上想像できたのですが、Impressであけてみると、信じられないくらい重い・・・。まずPPTファイルを開けた直後に、「PowerPointインポート」としてだいたい1分くらい待たされます。
いったんImpressの独自ファイルフォーマットで保存し直せば大丈夫だろうと思っていたのですが、これがハズレ。
作業中も自動保存してくれるのですが、これも10秒くらい普通にかかります。インプットもうけつけなくなるので、急に10秒くらい作業がとまってしまいます。また、昔からの癖で、無意識に(Ctrl+s)を押してしまった時なんか、「しまったぁ〜!!」と後悔するはめに。私の場合は、この「しまったぁ〜!!」を15分ごとくらいに繰り返していますが・・。さらに、運が悪いと保存中に完全にフリーズしてしまうし・・・。

わかったこと: Impressはpptファイルを扱うPowerPointの代換ソフトとしては「ほぼ失格」
(小さなファイルならある程度快適かも?)

あくまで別のソフトとして、独自のファイル形式で最初から使う分にはパワポレベルに普通に使える可能性はあります。機能も同レベルで、StarSuiteならテンプレートも結構そろっています。この辺に関しては、また使う機会があればそのときにレビューします。

そういえばどこかで、OpenOfficeMicrosoft Officeに勝つには、Microsoftとの互換性を捨てないと駄目とありましたが、その通りかもしれません。ソフトウェアも独自のアイデンティティを持たないといけないのでしょう。ちょうどOfficeが2003系から2007系になって、UIにかなり大きな変化があったので、このどさくさにまぎれて、互換性を取り払ってMicrosoftと戦う、よいタイミングかもしれませんね。。