神々の山嶺

山って、なんで登るんでしょうね。
有名なマロリーの言葉も何度か出てきましたが、主人公の羽生的解釈にも唸りました。
それにしても、植村さんと同様、本格的な登山家というのは、壮絶の一言。
小説とはいえ、多くは史実に基づいていて、小説なのかノンフィクションなのか分からなくなるところも多々ありました。


主人公の羽生にはモデルがいて、それが森田勝。
Wikipediaでちらっと見たら、最期は違えど、かなり忠実に再現されているようです。
森田さんの本も出ていて、神々の山嶺後に読もうと思い注文したのですが、
ちょっと満腹気味で、しばらく置いてから読んでみよう。
しばらく小説の余韻を楽しみたいので。。


それにしても、すごい小説です。
いろんなことを忘れて、没頭できました。
マロリーから続く、エベレストにまつわる歴史の勉強にもなりつつ、
小説としてのエンターテイメント性も高い。
いろんな雑音に惑わされず生きるということは、本当に大変ですが、
美しくもあるものです。
内面では非常に生臭い悩みを抱えてはいるのでしょうが、
しかし、究極的に潔いというか、憧れます。


エンディングがどうだろう・・・と正直思いましたが、
ここまで来たらこれもありか!とも思ったり。


ちなみに、山岳小説っていうカテゴリもあったんですね。
これは嬉しい発見。

神々の山嶺 上 (集英社文庫)

神々の山嶺 上 (集英社文庫)

神々の山嶺 下 (集英社文庫)

神々の山嶺 下 (集英社文庫)