希望のしくみ

希望のしくみ

養老さんはなにげに好きでよく読んでます。最初に出会ったのは、大ベストセラーだった「バカの壁」。さて、今回のテーマは仏教。養老さん曰く、「なんだ、俺の考えていたことは、お経じゃないか」とのこと。何だろう、自分の考えていたことが、実は別の人が考えていた(過去の偉人の考えだったり、哲学だったり、googleったら見つかったり、etc)というのはたまにあることですが、仏教だっていうのはビックリ。

で、この本はちょっと過激なお坊さん(アルボムッレ・スマナサーラさん)との対談をまとめたもの。個人的にまとめると、仏教とはキリスト教のようないわゆる宗教ではなく、どちらかというと考え方であったり、哲学的なもの。で、この坊さんの主なメッセージは(個人的に感じ取ったところは)、「自分の頭で考えろ」ということ。そういう点で、他の宗教を厳しく「批判」しています。自分でも言っていますが、結構「口の悪い」坊さんです(笑)

あと、瞑想というのは結構、精神にいいのでは・・と感じた。この坊さんの属している(?)テーラワーダの場合、瞑想はシンプルなもので(というか、本来シンプルなものだとは思うが)、単純な動作(立ち上がったり、横たわったり)をしながら、それを行っている自分を観察するということらしい。そうすると、人間とは常に変化しているもので、それを認めるようになる。そして、すべて無常であることを発見し、悟りにつながると。。頭では何となくわかるんですよ。人間の肉体も、毎日死んでいく細胞もあれば、生まれる細胞もある。爪は毎日のびるだろうし、髪の毛も伸びる(抜ける場合もありますが)。そういう意味で、毎朝起きたら、肉体という個体としては、前の日と全く違う自分がいるわけで(このへんは認知学、人工知能の本を読むとよく出てくる話)。だが、どうしてもそれが「無常」とか悟りにつながるというのが、やはり頭ではわからない。瞑想すると見えてくるものなのでしょうかね。

とまあ、初めて仏教がらみの本を読んでみたけど、結構楽しく読めました。宗教系はなにげに嫌いではなく(ダビンチコードはもちろん面白かったし、カソリック系の大学に言ってたので、聖書の話もフィクションとして好き)、ほかにも読んでみようかな・・とも思えます。今回は対話形式で読みやすかったけど、やはりどうしても話が飛んだりもしていたので、今度はもうちょっと体系的なものに手を出そうかなぁと思います。