弱者の戦略
- 作者: 栢野克己
- 出版社/メーカー: 経済界
- 発売日: 2008/09/01
- メディア: 単行本
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これほど親近感の沸くものはなかったのではないか。同じ土俵で話してくれている感が非常に心地よい。そう、私も弱者なんです。さて、タイトルにある、弱者の戦略とはなんでしょう。
弱者が生き残るには、すべてを世間の常識とは逆にせねばならない。
つまり、弱者の戦略とは、
強者=同業大手がしないこと、皆と違うことをするといううシンプルな原理原則。
シンプル。
人生の成功は「夢×戦略×感謝」だと一人発見した。当たり前のことなのだが、この「感謝」が意外に経営者にはいない。(中略)
夢や目標を書いて計画を創り、戦略・戦術の実行まではやる。経営に必至な儲けの手段だから。しかし、「感謝」の大事さにはなかなか気づかない。
つらい時代にした筆者の勉強の跡が見える。夢だけでもだめ、戦略だけでもだめ、単に感謝しているだけでもだめ。総括的な理解で、個人的にも納得できる。
凡人は大概、目先のことに追われ、日々流されて生きている。そして悩んで追い込まれると、「夢、戦略、感謝」のどれかにすがろうとする。(中略)
こうして、ちょっとかじっては別の分野を渡り歩く・・・・の繰り返し。この私もそうだった。しかし、人生に無駄はない。凡人は経験したことで成長する。
これでもいいのだ。過程なんだからね。
マクドナルドの創業者、マクドナルド・レイ・クロックの「これぞ、天職!」は52才だったし、火事や負債や子供の死で挫折だらけだったケンタッキーフライドチキン創業者の「これだ!」は65才だった。(中略)
あっちこっちへ、曲がりくねった道は人生の常だ。一直線で天職をつかめる人はきわめてまれなのだ。
私もまだまだ。この年になって・・・と自答するのはやめよう!そういう意味で、弱者というより、あくまで大器晩成なんだと思いたい。
エジソンではないが、失敗は成功の母だ。プラス思考でいけば、失敗した仕事というのは自分に向いていないことの確認でもある。おお、よかった、また一つ向いていない仕事が見つかった、と喜べばいい。
人生の悩みも前向きに。首になろうと、リストラされようとね。ただ、本人としてこういうことを言える・考えられることは、やはりかなりの精神力がいります。
年齢を重ねていくと、若い頃は可能だったことが、一つ一つ削げ落ちていくのがわかる。知り合いが成功すると「ああ、いいなあ」とそちらに顔が向き、こちらに成功者が出ると、「いいなあ」とこちらに行く。迷いが出る。でも、どれをしてもうまくいかない。しかし、何か、どうにもあきらめきれないものがある。小さな火種のように心の奥で夢がくすぶっている。そして行動を起こす。これも、うまくいかない。「あの人はまたあんなことをして」と周囲から言われる。だが、どうにも諦められない。そうして、平均すると40才過ぎて、「本当にやりたいこと」「やらねばならないこと」が見えてくる
「私にはこれしかない」
「私はこれでした役に立たない」
前向きに諦めたことから夢が見つかるのだ。
前向きに諦める・・。よく考えると、第一線で大活躍している人、スポーツ選手も経営者も、皆がその人に関して「これしかありえない」ことをやっている。見つけるまでの過程をすっとんで行くのが強者、早期晩成型の人。残りの我々はもっと時間がかかるけど、過程が違うだけ。いろいろ積極的に試してみれば、必ず見つかる。