HIS 机二つ、電話一本からの冒険



私も、著者と同じく旅が大好きだった。今でも旅行(旅とはちょっと趣が違うが)によく行く。しかし、旅行をビジネスや仕事にしようと思ったことは一切ない。著者も同じことを言っている。

自分にとって一番大切で好きな旅は、あくまでも趣味の中においておきたかったからだった。趣味をビジネスにするのが、いやだったのである。


今思えば、好きなことを趣味で、とおいておくのは、どこか怖がっていたのかもしれないと思える。もしこれがだめならどうしよう、という圧倒的な絶望が待っているような気がしたから。しかし、やってみなことにはわからない。だめだったら、趣味に戻せばいいだけのこと。好きなことなんだから、どんなことがあっても、嫌いになるほどのことはないだろうと思うしかない。

前半をのぞき、中盤以降は実際の旅行ビジネスの話、会社経営の話が中心で、個人的には中だるみな感じではあったが、読みつつも旅をテーマとした仕事をする人生もいいもんだなぁと妄想を繰り返していました。どうも、そんな涙腺のようなものに響いたらしく、ちょっとアイディアも浮かんだり、インスピレーションにはなりました。