Blink . The Power of Thinking Without Thinking

Blink

Blink


第一印象、直感、速断の威力を説く。
羽生さんの言っていたのは、これだったのかぁ!!という一冊。


芸術作品の真偽を調べている際、いろんな調査では本物と出ていたにもかかわらず、
結局専門家の「何か違うんだよな」という直感が正しかった・・・など、
数々のストーリーをベースに、議論は進む。


興味深かったのは、潜在意識が持つ偏見について。
意識レベルでは偏見などない、と認識していても、
潜在意識のレベルでは偏見を持っているというのは多々あるという。
本書では人種に対する偏見が、潜在意識レベルで残っているかを語っている。


パワフルでありつつも、扱い方次第では危険ともなりうる、この直感・速断。
素人の直感はまあ当てにならないが、専門家の直感はちゃんと聞いた方がよさそうですね。


ちなみに、この直感的なスキルは、トレーニングできるようです。
これはニューソート系な話にも繋がるのですが、
やはり潜在意識に対して繰り返し繰り返し経験させるのがいいとか。
たとえば、ボディガード系の団体のトレーニングとして、
実際に狙撃のシーンをシミュレートして、偽物の拳銃で何度も撃たれていると、
24のジャック・バウワー的な鋭い感覚も養えるとか。


ちなみに、本書の本当に素晴らしいところは、その読みやすさ。
Dan Brown本かの如く、すいすい読めてしまいました。
フィクション以外でここまで「ページをめくる手が止まらない」状態になったのは初めてかも。
普段も意識的に頑張って洋書を読んでいるんですけど、今回ほど原書を読んでよかったと思った作品はないかも。
それほど文章が面白い。こんな文書を書けるようになりたいものです。